発達障害の娘と「きょうだい児」である息子の関係、お出かけの難しさや将来の不安に寄り添う記事です。無理をしない家族のお出かけ術やサポート事例を交え、家族全員が前を向くためのヒントを伝えます。
「きょうだい児」の心をケアする工夫
お兄ちゃんが「自分は後回しにされている」と感じないための環境づくりが大切です。
短時間でも「1対1の特別タイム」をつくる
・祖母や療育など短時間で預けられるタイミングを活用し「お兄ちゃんが主役の時間」を作ります。「今日は〇〇くんのすきなゲームセンター行こう」「おいしいアイスクリーム屋さんで食べよう」と一緒に出かけるだけで、自分は愛されてるという実感につながります。
「我慢」でなく「協力」として感謝を伝える
お兄ちゃんが妹の面倒を見てくれた時は、「お兄ちゃんだから当たり前」ではなく、「〇〇くんが手伝ってくれたからすごく助かった、ありがとう」と具体的に感謝を伝えます。最近、わが家でもやって当たり前。やってもらって当たり前の雰囲気があり、感謝の気持ちが伝わらず「ありがとう」の言葉はすごく大事なんだと思います。
ネガティブな感情を否定せず受け止める
もし「たまに妹抜きで遊びたい」「なんで自分だけ」と本音を漏らしたときは、叱らずに「そうだよね、我慢させちゃってごめんね」「そう思うのも当然だよ」と気持ちを寄り添うことが大切です。
家族で無理なく楽しむお出かけ術
買い物や旅行など、決まったルールや静かさを求められる場所はストレスになりがちです。家族全員がストレスフリーで過ごせる環境選びましょう。
「枠組みがゆるい」アウトドアを選ぶ
キャンプや広大な公園、BBQなど多少声を張ったり動いたりしても周りの迷惑になりにく「自由度の高い空間」を目的地にします。
「音や刺激」の対策をセットで準備する
人混みや大きな音が苦手な場合は、イヤーマフやノイズキャンセリングヘッドホンを活用します。また、移動中のパニック防止のために「お気に入りのおもちゃやタブレットを」常に常備しておきます。
音楽サークルや障がい児向けイベントの活用
自由に体を動かせる音楽教室や、理解のあるコミュニティの集まりは、親にとっても「周りに気兼ねせず安心して見守れる場所」になります。
将来の不安を減らすためのサポート活用事例
「ゆくゆくはお兄ちゃんが面倒をみるのでは」という不安は、親世代のうちに社会資源(福祉サービス)とのつながりを作っておくことで大きく軽減されます。
親だけで抱え込まず「福祉の専門家」とチームを作る
相談支援専門員(相談支援事業所)と繋がり、将来に向けたケアプランや利用できる福祉サービス(放課後デイサービス、ヘルパー派遣、ショートステイなど)早めに確認しておきます。
将来の資金・権利擁護の仕組みを知っておく
「障害年金」の申請準備や、将来親が亡くなった後もお金や手続きを管理してくれる「※成年後見制度」「※福祉信託」「※障害者扶養共済制度」などの制度について情報を収集しておきます。
※成年後後見制度(判断能力や手続きをサポート)
契約行為や金銭管理など、判断が難しい手続きを専門家などの後継人がかわりに支援する制度です。
できること・役割
・預貯金の管理、グループホームや福祉サービスの利用契約、悪質商法の被害防止など。
・親亡き後、きょうだい児が書類作成や契約の最前線に立たないで済むというメリットがあります。
主な2つの役割
・財産管理:預貯金管理、不動産売買、公共料金や医療費の支払い代行など
・身上保護:介護施設の入所契約や病院の入院手続きなど(※身の回りの世話や家事そのものは行いません)
※福祉信託(親の財産を確実に本人へ渡す仕組み)
親が亡くなった後や認知症になった後、「残したお金を本にの為に正しく使ってもらう」ための契約です。
仕組み(福祉家族信託など)
・親の資産(預貯金や不動産など)を、信頼できる受託者(信託銀行や信頼できる親族・弁護士などに)託します。
・親に万一のことがあっても、託された資産から毎月一定額が本人の講座や施設費用として自動的に支給されます。
メリット
・「お兄ちゃんに妹の遺産管理を丸投げする」負担を避けられます。
・遺産相続で親族間トラブルになるのを防ぎ、確実に「妹の生活費」として確保できます。
※障害者扶養共済制度
障がいのある子どもを育てる親が、毎月決まった掛金を払っておくことで、親に万一のことがあったときに、残された子供へ定期的に年金が支払われる仕組みです。都道府県や指定都市が運営している公的な助け合い制度です。
小学生~将来(親の高齢化)今からできるロードマップ
現在~小学生
成長記録・療育記録・通院履歴をファイル(サポートファイル)にまとめておく。
中学生~高校生
地域の「相談支援事業所」とつながり、将来のケアプランの相談を始めておく。
19歳~20歳
20歳前障害基礎年金受給申請準備。
将来(親の高齢化)
成年後見制度の利用検討、遺言書や福祉信託の手続き調整。
まずは市区町村の「障害福祉課」や「相談支援センター」の窓口で、「親亡き後を見据えたお金や制度の準備について詳しく聞きたい」えおと相談してみることをおすすめします。
完璧な家族を目指す必要はありません。「頼れるものはすべて頼り、家族みんなが楽になる選択」を重ねていくことが、子どもたちの成長と未来を守る一番の近道です。
お兄ちゃんに伝えておくべきこと
何より大切なのは、お兄ちゃんが成長したタイミングで「親の方針」を言葉で伝えてあげることです。
・「妹の将来は、公的サービスやグルーホーム、専門家にお願いする準備を進めているよ」
・「〇〇くんが自分の人生や夢をいちばん優先して生きることが、お父さん・お母さんの願いだよ」
このメッセージを伝えておくだけで、お兄ちゃんが将来抱えるかもしれない目に見えない心の重荷を、大きく取り除いてあげることができます。
まとめ
発達障害のあるお子さんと「きょうだい児」を育てる毎日は、思い通りにいかなことも多く不安が尽きないかもしれません。しかし、完璧を目指す必要はありません。
・キャンプのように「自由に過ごせる場」を見つける
・短時間でも「兄と向き合う時間」を作る
・療育や公的支援を頼り、親だけで抱え込まない
まずは10分でも良いのでお兄ちゃんとじっくり話す時間を作ったり、家族が楽に過ごせるお出かけ先を1つ探してみてはいかがでしょうか

